レックとビアンが全国を旅するために開発された、2125年最新型ロードバイク。
見た目は現代のロードバイクとほとんど変わらないが、その内部には未来技術が凝縮されている。
目的は「速く走ること」ではない。
誰でも、安全に、最高の旅を楽しめること。
① Auto-Avoid(自動感知システム)
ステム内部の多層センサーが障害物を検知。
ハンドルと前輪を人間が操作したような自然さで微調整し、危険を回避する。
- 落石
- 飛び出し
- 路面の段差
- 小さな障害物
などを瞬時に検知。
あえて人間より0.1秒遅らせて補正することで、違和感のない操作感を実現している。
レック
「この機能なかったら、俺10回は転んでる。」
② Gyro-Frame(オートバランサー)
フレーム内部の姿勢制御ユニット。
強風・横風・急勾配でも自然にバランスを補正。
ライダーは補正されていることすら気付かない。
長距離走行時の疲労も大幅に軽減する。
ビアン
「安全性は従来比300%以上です。」
③ Aqua-Skin Tire(バリアタイヤ)
タイヤ全体を覆う0.1ミリの透明エネルギー膜。
- パンク防止
- 摩耗防止
- 雨天グリップ向上
- 汚れ防止
走行中は淡い水色の光が残り、美しい軌跡を描く。
レック
「俺たちの旅の足あとみたいだな。」
④ Bio-Monitor Navi(サイクルコンピュータ)
取り外し可能なAIナビゲーション。
速度表示だけではなく、ライダーの身体状態を常時解析する。
計測項目
- 心拍数
- 血圧
- 体温
- 発汗量
- 筋肉使用率
- 疲労度
- 熱中症リスク
- 風速
- 高度
- 路面状況
AIがこれらを総合分析し、
- 最適ルート
- 本日の推奨走行距離
- 補給タイミング
- 休憩ポイント
をリアルタイムで提案する。
レック
「便利すぎて俺の脳みそ要らねぇじゃん。」
⑤ Time-Shift Fine Tune(時間微調整機能)
タイムサイクル最大の特徴。
未来の時間制御技術を応用し、空間ではなく時間をわずかに補正する機能を搭載している。
目的は歴史を変えることではない。
旅を、もっとも美しい瞬間へ導くこと。
ビアンが
- 花の開花状況
- ご当地グルメの旬
- 天候
- 気温
- 光の角度
- 季節イベント
などを総合的に分析し、ライダーが違和感を覚えない範囲で、ごくわずかな時間補正を行う。
例えば、
- 桜が満開の日に到着する
- 紅葉が最も美しい週に合わせる
- 夕焼けが最も映える時間帯に着く
- ご当地グルメが旬を迎える季節へ自然につながる
といった調整が行われる。
時間は「瞬間移動」するのではなく、旅を続けている感覚のまま少しずつ補正されるため、ライダー自身がタイムトラベルをしているという感覚はほとんどない。
この機能の管理・調整を行っているのはビアンだけである。
レックは毎回、最高の景色や旬のグルメに出会えることを「運がいいな!」程度にしか思っておらず、その理由を深く考えることはない。
ビアンも、この機能について自ら話すことはない。
ビアン
「旅の体験価値を最大化する時間最適化アルゴリズムです。」
レック
「つまり、一番うまい時期に一番うまいもん食えるってことだろ?」
⑥ Power-Core(自己充電システム)
フレーム内部に搭載された次世代エネルギーコア。
走行中の振動、太陽光、走行風、外気との温度差などから常時発電を行う。
通常の旅では充電切れになることはなく、外部から充電する必要もない。
万一エネルギー残量が低下した場合でも、安全機能を最優先して動作を継続する。
ビアン
「通常運用では外部充電は不要です。」
レック
「未来ってコンセント要らねぇのか。」
■ 開発コンセプト
「旅は、目的地ではなく、最高の瞬間へ向かうもの。」
タイムサイクルは、速さを競うための自転車ではない。
景色を楽しみ、風を感じ、人との出会いを大切にする――。
そんな「旅そのもの」を最高の体験へ導くために生まれた、2125年のロードバイクである。
さらに、このタイムサイクルは2125年でも一般販売されていない試作車であり、長距離調査任務専用として開発された特別仕様である。
現在、この車体を扱えるのはレックとビアンだけ。
二人はこの一台とともに、日本全国を巡る旅を続けている。